デリシャス/北村英治・世良譲 JCCD-10008 |
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耳グルメ納得! 24年ぶりのデュオ。2人併せて一世紀余りのプロの味 |
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2002年 10月17日発売 ¥3,000(税込)
製造元:(株)アルメディオ 発売元:JAZZ COOK Recording Date: July.17-18.2002 |
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[曲目]1.酒とバラの日々 2.この素晴らしき世界 3.枯葉 4. アイ・ソート・アバウト・ユウ 5.
マイ・フーリッシュ・ハート
6. イパネマの娘 7. スター・ダスト 8. ステラ・バイ・スターライト 9. オール・マイ・ライフ 10.
ハートエイクス 11. ミスティ *デザート イフ・アイ・クドゥ・ビィ・ウィズ・ユウ |
世良譲と私のデュオのアルバムは、24年ぶりのものです。 「1978年にリリースされたデュオのアルバムをCDにして再発出来ないか」と云う多くのファンの声があり 「それならば現在の二人の新しいレコーディングが面白いのではないか」 と二人の提案で話しが纏まりました。 お互いプロ生活50年以上、二人併せると一世紀を超します。大変なものです。でも二人とも、ちっとも長いなんて感じて居ません。つい昨日プロになった様な気持ちです。ご存知の様に、世良譲は昨年来体調を悪くして、闘病中の身です。少々心配はして居ましたが、療法と彼自身の驚異的な精神力で快方に向かい、このレコーディングが出来る様になりました。気の合う二人ですから、あまり細かい打ち合わせもしないで演奏する事にしました。河内スタヂオは環境は良いし時間的な制約も無いし気楽に出来ると云う事でのんびりとやって見ました。
いざ演奏をして見ると、世良のプレイは本当に見事なもので、私もすっかり乗せられてしまいました。別に何の約束も無しにひたすら演奏をして、自然に出来上がったコンビネーションも結構面白いものがありました。クラリネットとピアノの、ただ二人だけの演奏ですが、スタヂオの中にはあたたかく楽しい空気でいっぱいでした。それを録音エンジニアの河内伸介さんが、音と雰囲気を一緒にしてこのCDに納めて呉れました。
食いしん坊の二人の演奏です。譲と演っていると、いつも「美味しい気持ち」になります。そんな気持ちが皆様に伝わると幸せです。
尚、デザートの「歌声」は他のメニューに免じてお許しください。
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さあ今日は北村さんと世良さんのレコーディングだ!
私は早めにスタジオに入り、機材をチェックする。ミュージシャンが来られる前にこれをしないと安心できないのだ。
やがてお二人がスタジオに入ってこられた。世良さんは私が思っていたより痩せられて少し疲れているように見えた。今重い病気と闘っていられて最近まで入院されていたそうだ。 とっても上品な奥様がいつも付き添いサポートされている。
さっそくサウンドチェック、とりあえず私はお二人の前で生の音を聞く事にした。その出てきた音を聴いてぶっ飛んだ!北村さんの美しい音がスタジオに響き渡り、闘病中とは思えない世良さんのピアノはまるで二人で弾いてるようなテクニックなのだが、とにかく力が抜けているというか、さらりと弾くフレーズがSwingしているのだ! Boston
Piano もセミコンならではのダイナミックなサウンドで鳴っている。生で聴いている美味しい音をそのまま録音することができたら、それだけで優秀録音になるに違いないと思い、なるべく加工しないでそのままをテープに収める事に決めた。
録音はとてもリラックスした雰囲気で行われ、すべての録音が終了すると世良さんはタップダンスを踊りながら調整室に入ってこられ、北村さんと握手してから私のところに来られて「ありがとう」と言って私を抱きしめてくれた。
私がJazzを聴き始めた頃から日本を代表するミュージシャンだった北村さんと世良さんのお二人と仕事が出来たことを思うとジーンとなってしまった。
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